アンチェルの『わが祖国』
2008年 11月 03日

スメタナ:連作交響詩『わが祖国』
収録:1968年5月12日、プラハ、市庁舎、スメタナ・ホール(ライヴ)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
収録:1966年5月28日(ライヴ)
カレル・アンチェル(指揮)/チェコ・フィルハ-モニ-管弦楽団
特典映像:ドキュメンタリー「カレル・アンチェルとはだれ?」
(1969年プラハTV製作)
収録時間:約155分 画面:モノクロ、4:3 音声:PCMモノラル 字幕:英・独・仏
スプラフォン SU7015 DVD NTSC Region All(輸入盤)
1968年「プラハの春」オープニング・コンサート 記念碑的ライヴ『わが祖国』初DVD化!
チェコが誇る世界的な指揮者カレル・アンチェルが生まれて、今年でちょうど100年になる。これを記念するにふさわしいビッグ・タイトルが母国スプラフォン・レ-ベルからリリースされた。1968年「プラハの春」オープニング・コンサートにおける『わが祖国』ライヴである。すでに同一内容のCD(CR0292)が出ており、そのすばらしさは知られているが、映像作品としては『高い城』のみが映像化されているものの、全曲ではもちろんはじめて。このライヴ映像は単なる演奏会の記録にとどまらず、本来の言葉通り、あの運命的と言っても良い1968年に起きた自由化改革運動である「プラハの春」の貴重なドキュメントであり、歴史的にはかりしれない意味合いを持つものとして、1990年のいわゆる『ビロ-ド革命』後のク-ベリック指揮/チェコ・フィルの同曲演奏と並ぶ歴史的記念碑的演奏として永らく記憶され続けるものであろう。さらにこの秋に起きたワルシャワ条約軍のチェコへの軍事介入に抗議してアンチェルはチェコ・フィル音楽監督の座を辞しカナダに亡命したため、これが彼がチェコ・フィルを指揮した最後のコンサートとなった歴史的な記録である。
カップリングも超強力である!シェリング独奏によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲であり、こちらも同内容の音源が以前PRAGA(廃盤)で出たことがあるが、映像としては初のリリースである。
はっきり言って音質は良くないし画質も良くないけれども、アンチェルの演奏に心を打たれたことのある人なら、そして何よりも『ひと時の自由』を謳歌するチェコ国民の高揚した感情を体感することの出来るものではないかと思う。もちろん、もっと鮮明な画質であったらという思いを抱かないわけではないけれども、貴重な映像が残されていたということに感謝したい気持ちである。
by gakuyuuehime | 2008-11-03 21:55 | CD この1枚

