アンサンブル・フランセ
2008年 07月 14日

東京渋谷の白寿ホールで行われたアンサンブル・フランセというユニットの室内楽のコンサートに行ってきました(5月30日)。
白寿ホールは、平成15年に渋谷のNHKホールの北側にあり、歩いて5分ほどのところにオープンした室内楽専用のホールです。前々からこのホールには関心があったので、偶然このコンサートを見つけて行ってみました。あまり聞き馴染みがないと思いますが、席数300と本当に室内楽に打ってつけのホールで、㈱白寿生科学研究所という健康食品や健康グッズの会社が自社ビルに整備したものです。舞台、客席共に床にサクラ材を使用し、壁面は白を基調とした明るい美しいホールでした。(楽友協会えひめにもこのようなホールで聴きたいものです。)
プログラムは、前半がドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」と「第1狂詩曲」、ラヴェルの「ピアノ三重奏曲」、後半がシェーンベルクの「室内交響曲第1番」、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」という内容でした。
アンサンブル・フランセは常設のユニットではなく、フルート奏者・瀬尾和紀がパリの音楽仲間と今回のツァーのために結成したユニットです。瀬尾以外のメンバーはニコラ・バルデイルー(クラリネット)、ニコラ・ドートリクール(ヴァイオリン)、ベルトラン・レイノー(チェロ)、ローラン・ワグシャル(ピアノ)で、いずれもフランスの新進気鋭の演奏家達ということです。
チラシには“パリのエスプリ”というコピーがあったので、フランスらしい透明感のある洒脱な音楽を聴かせてくれるのかなと想像していましたが、各奏者が丁々発止と火花を散らすようなスタイルで、スリリングでダイナミックな演奏を聴かせてくれました。ですから、「牧神の午後」は弦や管の隈取りがはっきりとしており、色彩感や浮遊する感覚が味わえない点が残念でした。続く「第1狂詩曲」、これはクラリネットとピアノのための曲ですが、ニコラ・バルデイルー(写真左端)が抜群に上手く、透明で力強い音色と素晴らしい表現力に引き付けられました。20代でフランス国立管弦楽団の首席に就任し、現在はソロ活動をしているようですが、メンバーの中でも一人図抜けていました。今後、ソリストとして活躍する人だと思います。ラヴェルの「ピアノ三重奏曲」もメリハリのある良い演奏でしたが、「室内交響曲第1番」が迫力のある力強い演奏でした。原曲は管が弦の倍近くいる編成で全奏の時には管の鋭い響きが迫ってくるのでそれとは印象が異なりますが、緊密なアンサンブルの中で旋律が浮き上がる室内楽らしい引き込まれる演奏でした。現代音楽ですが、ジャズのセッションを聴いているような感覚もありました。
最後に、本当に室内楽にふさわしい良いホールでした。機会があれば是非行ってください。
(宮脇)
by gakuyuuehime | 2008-07-14 11:22 | 国内楽信

