大阪シンフォニカ- いずみホ-ル定期を聴いて
2007年 11月 02日

今シ-ズンで首席指揮者としての任期を終える大山平一郎は、今シ-ズンのいずみホ-ルでの定期を『近代音楽へのアプロ-チ』と題して20世紀前半に生まれた珠玉の室内合奏オ-ケストラの名曲の数々をプログラミングしており、今回の公演ではまずR.シュトラウスの「13管楽器のためのセレナ-ド」、ウェ-ベルンの「弦楽四重奏のための5つの楽章(弦楽合奏版)」、ドヴォルザ-クの「管楽のためのセレナ-ド」、エルガ-の「序奏とアレグロ」そしてラヴェルの「マ・メ-ル・ロア」組曲というプログラムであった。
どの曲もおおよそ1世紀前に作曲されたもので、ふたつの管楽のためのセレナ-ドとふたつの弦楽合奏曲を絡め、最後に管弦楽曲を持ってくるといういかにも通好みのプログラムに大阪の聴衆以外にも多くの音楽ファンが食指を動かしたことであろう。結果的には大変集中力の高い、なおかつ興味深い演奏を繰り広げてくれたことは大変大きな収穫であった。近年、関西のオ-ケストラの中では非常に高い評価を受けている大阪シンフォニカ-交響楽団ならではの演奏であったと言える。
ふたつの管楽器によるセレナ-ド(R.シュトラウスの「13管楽器のためのセレナ-ド」とドヴォルザ-クの「管楽のためのセレナ-ド」)はいずれもモ-ツァルトの「13管楽器のセレナ-デ《グラン・パルティ-タ》」に刺激を得ており、それぞれの楽器の特性を最大限に生かしつつ、ロマンティックな響きを愉しむ事が出来た。変わってふたつの弦楽合奏曲(ウェ-ベルンの「弦楽四重奏のための5つの楽章(弦楽合奏版)」とエルガ-の「序奏とアレグロ」)とラヴェルの「マ・メ-ル・ロア」組曲は、20世紀初頭のヨ-ロッパでおこった和声の崩壊の前後の作品であり、微妙なバランスと崩壊寸前のタナトスを感じさせられる音楽である。

大山はオーソドックスで手堅い指揮をするということで定評のある人だ。しかしながらそれは反面、意外性や面白みに欠けることも意味する。だから大山の振る今回の様な20世紀の曲には彼の資質には合っているように感じられる。大阪シンフォニカーも細部にわたって準備が行き届いておりなかなかの好演。心地よいひとときであった。
聞くところによるとこのいずみホ-ル定期は今シ-ズンでとりあえず終了するらしいが、このホ-ルの空間で作り出すアンサンブルは必ずオ-ケストラの技量を格段に上昇させるはずである。近い将来、再度このホ-ルでの定期演奏会が復活してもらいたいと感じるのは私だけではあるまい。その時は今回のような近現代の作品と、ハイドンの交響曲(オケのアンサンブル能力を磨くのには最適だ)を組み合わせてみるのはいかがだろうか?
by gakuyuuehime | 2007-11-02 18:01 | 国内楽信

