速報! 欧州楽信 パヴァロッティ氏の葬儀と周囲の反応
2007年 09月 11日
イタリアの世界的なオペラ歌手で6日に死去したルチアーノ・パヴァロッティ氏の葬儀が8日、イタリア北部モデナの大聖堂で行われた。パヴァロッティ氏の遺体は舞台に立っていた時と同じタキシードをまとって、白い楓の棺に安置され、まわりを彼が好きだったヒマワリで覆い尽くされた。側では妻のマントバーニ夫人や、前妻との間にもうけた3人の娘が見守った。パヴァロッティ氏は臨終の時、家族に「葬式で黒は着るな、カラフルに」と、言い残していたそうで、夫人は淡いグリ-ンのス-ツに身を包んで参列している。
参列者はプロディ・イタリア首相やルテリ文化相、国連のアナン前事務総長、ロックグループU2のボーカル、ボノ氏、映画監督のフランコ・ゼフィレッリ氏ら各界要人を含めて数千人に達した。
国葬級の扱いとなった葬儀は、ヴェルディの歌劇「オテロ」の中の「アヴェ・マリア」の曲とともに始まり、「(パヴァロッティ氏は)卓越した解釈の能力で、音楽という神の贈りものを輝かしいものにした」とのローマ法王ベネディクト16世の追悼の言葉が紹介された。大聖堂の上空では、イタリア空軍の航空隊が飛行し、赤、白、緑の国旗色の煙をたなびかせた。
パヴァロッティ氏が1978年に父フェルナンドさんとデュエットした「パニス・アンジェリクス」が流れると、参列者は総立ちして拍手を送った。娘のアリスちゃん(4)の「パパは私をとても愛してくれた。これからもずっと私を守ってくれるでしょう」という言葉が読み上げられた場面では、すすり泣きがもれた。
パヴァロッティ氏の棺が大聖堂から運び出されると、早朝から最後の別れに駆けつけたファンや市民ら約10万人が長い列を作り、集まった群衆からは拍手や「ブラボー」の歓声が上がっていた。棺は、パヴァロッティ氏の両親の墓があるモデナ郊外のモンターレ・ランゴーネ墓地に埋葬される。
モデナ市長は報道陣に「パヴァロッティ氏の素晴らしい声のおかげで、モデナは世界に知れ渡りました。今ではモデナと言えばパヴァロッティです。彼は死後も、モデナが自分の故郷であることを願っていました。遺体がここに埋葬されるのは、彼自身にとって大切なことなのです」と語った。
ANSA通信によると遺産は2億ユーロ(約312億円)以上。2人の妻との間にもうけた4人の娘ら親族のほか、生前、パヴァロッティ氏を助けた人にも分けられるという。
政治界からも、故パヴァロッティ氏に対して多くの哀悼の言葉が寄せられている。プローディ首相は、「音楽界、そしてイタリアは偉大な声を失った」とその死を悼んだ。ジョージ・W・ブッシュ米大統領は、パヴァロッティを「歴史上、最も熟達し、最も高く評価されたオペラ歌手」だと評し、ニコラ・サルコジ仏大統領は、「彼の芸術性、温かさ、そしてカリスマ性は、全世界を虜にした」と語った。
スペイン人テノール歌手で三大テノ-ルのひとり、プラシド・ドミンゴ氏は記者会見で、パヴァロッティ氏の死去を受け、葬儀には参列できないと発表した上で、彼ががんを乗り越えられると信じ、先月退院した直後のパヴァロッティ氏と面会した際、最後に会話を交わした際に別れの言葉を告げなかったことを明かした。
ドミンゴ氏は「ルチアーノが成功したのは友好的なライバルであるわたしの存在があったからで、同様にわたしが成功したのも彼がいたからだと思う」と述べ、さらに三大テノ-ルのもうひとりであるホセ・カレーラス氏とはまだ話していないとした上で、三大テノールの残り2人でパヴァロッティ追悼公演ができないかを打診する考えであることも明かした。

写真:在りし日のルチア-ノ・パヴァロッティ氏
(copyright http://www.lucianopavarotti.com/)
by gakuyuuehime | 2007-09-11 18:10 | 欧州楽信

