長原幸太 ヴァイオリンリサイタル開催
2011年 03月 02日

3月1日(火)午後7時より、いよてつ髙島屋ローズホールにて、長原幸太ヴァイオリンリサイタルが開催された。
2004年、20才代半ばにして大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに抜擢され、現在首席コンサートマスターとして活躍されているとあって、どんな解釈、どんな音色を聴かせてくれるのかと期待は大きい。しかしながら、少し暖かくなってきた矢先の悪天候、聴衆の出足は、いま一歩である。
まず、ヘンデルのヴァイオリン・ソナタから。リラックスした感じで登場するが、演奏開始した途端に、凛とした雰囲気がただよう。切れ味の良い音色だ。さすがである。ピアノ伴奏のヘンデルとあって、多少の違和感はあるものの、おだやかななかにもきりっとした音色は、それに相応しく感じる。続いてべ-トーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第4番「春」。先週のあたたかさがあと2、3日続いていれば、まさにベストマッチの曲であったが、残念ながら少し寒さを感じる日となった。演奏のほうは、第1楽章よりまさに「春」らしい演奏が展開される。ここでピアノも快調に歌う。第1部最後の曲は、バッハの「シャコンヌ」。ここで、少々度肝を抜く演奏が展開される。バッハの名曲とがっぷり四つに組み、攻撃的、前向きな演奏が続く。その姿勢が頼もしくもある。ときにはやさしい表現も交えながら、自由自在な演奏が終え、第1部を終了する。会場からは、どよめきが聞こえる。

興奮さめやらぬなか、第2部は現代作曲家松下 功の「マントラ」ではじまる。舞台上には、5台の譜面台が並べられ演奏位置を順次変えながら演奏するという。興味深い。まず一番奥の位置に立ち演奏が始まる。ここでは、透明感の高い音色、そして何かを感じさせるリズムが楽しませてくれる。一聴して、「すばらしい!」と感じる。順に前の譜面台へと進み、音楽は高潮していく。最後は、最前列中央に立ち力強い演奏で曲を閉じる。名演、名曲である。続いては、マスネの「タイスの瞑想曲」。ここでは、限りなく美しいヴァイオリンを聴かせる。最後、序奏とロンド・カプリチオーソにおいては、ヴァイオリン表現の展覧会のごとく、いろいろな音色をいとも簡単に弾き分ける。絶賛の拍手のうちに第2部終了。アンコールは、ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第4番「春」の第3楽章。一層美しい演奏で幕を閉じる。
期待どおりの素晴らしい演奏会となった。いつものことながら、この感動をもっと多くのかたと共有したい。また、日本の現代作曲家のあまり耳にする機会の無い素晴らしい作品を、松山に居ながらにして聴ける幸せを感じるとともに、この種作品を紹介していくことも当会の大きな責務とあらためて感じた演奏会であった。
by gakuyuuehime | 2011-03-02 16:31 | 公演レポート

